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【TOP日記〈17〉】永遠の戦友へ

無意識です。

ちょっと真面目な話をします。

執筆タイミングが悪くなってしまって申し訳ありません。

先日、声優の石塚運昇さんが遥か遠くへ旅立たれました。

石塚運昇さん。

ここで取り上げているテイルズオブファンタジアにて、

トリニクス=D=モリスン

エドワード=D=モリスン

を演じておられました。

他にも、

同シリーズのテイルズオブリバースでは

ユージーン・ガラルド役として

一緒に旅をしていただいたことを

ずっとずっと覚えています。

正直なところ、身内や友人でもない方の報せについて

とやかく言うのは性分ではないのですが。

エドワードに出会い

トリニクスの無事を願う

このタイミングだったことに

なんとなく、なんとなくね。

もちろんテイルズシリーズ以外でも

たくさんの役であなたのお声を耳にしました。

お疲れ様でした。とだけ言わせてください。

それでは、

真面目はここまで。

本編です。

壊れた指輪を手に入れた一行。

修復の手がかりを探す中でエドワード=D=モリスンに出会う。

エルフの知恵を借りにユミルの森へ向かう。

アルヴァニスタに戻りました。何度目だここ。

「ルーングロム殿、お時間よろしいですか?」

「ああ、構わないが…

 もうエドワードには会ったのかい?」

「そのことについて、お話があります」

「そうか、それじゃ話は外でうかがうことにしよう」

相変わらずの秘密主義。

女子高生かよ。

「エドワードの奴め…

 私に一言も言わずに、そんなことを…」

「それで、ユミルの森に入るための紹介状を頂きたいのですが」

「う~む、一日待ってくれないか

 色々と手続きが必要なんでね」

一日お休み。

とはいえ急に暇になっても特にやることもないので

宿屋でゆっくり一泊。

翌日あらためて城へ。

「待たせたね

 これを胸につけて行くといい

 それと、断っておくが、ハーフエルフ

 ユミルの森には絶対に入れないからな」

王家のエンブレムを受け取ります。

紹介状とかじゃなくてエンブレム。

なんか権威を振りかざすみたいで辛気臭いですね。

王城を出たところで立ち止まる。

みんなうっすら考えていたんでしょうね。

ハーフエルフってあたしのことじゃん?」

「すまないな」

「いいってこと、あたしは宿屋で待ってるから」

「急いで戻ってくるから、待っていてくれよ」

あまり触れられてきませんでしたが、

人間の父を持つアーチェはハーフエルフ

母がおそらくエルフなのでしょう。

混血であるハーフエルフをエルフは人間以上に忌み嫌うのです。

仕方なく3人で町を出ることに。

…そして、宿屋でアーチェはこそこそと……。

街からけっこう離れます。

森と泉に囲まれて静かに眠るブルーシャトー

それがユミルの森。まるで天然の要塞。

一歩踏み入れるか入れないかのところで

衛兵が突っかかってきます。

「何だ、お前達は?

 ここから先はエルフ族しか入れない地域だ

 早々に立ち去るがよい」

「許可はもらってあるよ

 このエンブレムを見てくれ」

「たしかにそれはアルヴァニスタ王国の紋章

 うむ、通ってよし!」

けっこう素直な衛兵。

生い茂る木々とデタラメな配置の桟橋は迷路のよう。

3人の戦力で多くの戦闘を強いられることになります。

しんどい。

やっと陸地らしい陸地に着くころ。

「ん?」

「どうしました?」

「今、そこの木かげで何か動いたような…」

「気のせいじゃないですか?」

「森の動物達でしょうか?」

「ああ、そうかもな」

3人の視線の先、

大木の影にはお粗末に変装したアーチェがいたりして…。

「何だ、お前達は!?

 ここはエルフ族以外の者は立入禁止だ!」

「このエンブレムが目に入らないのか?

 族長に会わせてくれ」

「それはアルヴァニスタ王国のエンブレム…

 失礼しました、それではこちらへどうぞ」

まるで水戸黄門。威風堂々。

権力は人を狂わせる。アルジャーノンに花束を。違うか。

漂う空気とは裏腹に一切人を疑わない衛兵たちによって

族長の家までスムーズにご案内。

「みなさん、お待たせして申し訳ありませんでした

 初めまして、私が族長のブラムバルドです」

「私はクラース、それからクレスにミントです

 さっそくですが、これを見ていただけますか?」

「これは契約の指輪ですね

 しかし、見たところ壊れているようですが…」

「これを修復する方法があると聞いてここまで来ました」

「なるほど…

石盤の力が必要ですね

 村の北側に行っておりますので詳しい話はその時に…」

族長は族長で話をもったいぶる癖があるようで。

とりあえずついていきましょう。

村の北まで行くと…、森。

森に囲まれてるんですからどこ向かっても森にぶつかるんですがね。

「ブラムバルドさん、これからどうすれば?」

「この先の森には私達にとっての聖域

ヘイムダールという地があります

 そこにある漆黒の石盤の所まで来て下さい」

「その石盤で何を?」

「詳しい話は石盤の所で…

森の動物達があなたがたを導いてくれるでしょう

 私は先に行って待っています」

ほらまたもったいぶる。

ここから先は名前が変わります。

ユミルの森ではなく、トレントの森

さっき言ってたヘイムダールという呼称もどこへやら。

これがまた迷路。

動物達がヒントだそうなのですが、まぁ簡単に言うと、

動物や虫がいるマップは正解ルート。

なにもいないマップは不正解ルート。

行き止まりでも宝箱がいっぱいなので一概に不正解でもないですが

なにせ戦力が足りないので。さっさと進みたいところ。

それにしてもなぜ3人パーティでこんなダンジョンを…。

こういうときこそ来てくれよロディ…。

散々迷いまして。

無精ひげも風に揺れ始めるころ。

ようやく石盤を発見。

そして涼しい顔で佇む族長。なぜ連れてってくれんかった。

「ブラムバルドさん」

「この石盤は?」

「森の名前でもあるユミルとは、根源を意味する言葉です

 ここには、根源を司る精霊オリジンが眠っていると

 言われています」

「オリジン…」

精霊達の王、という話です

 超古代の終末の戦い…

 私達エルフは『ラグナロック』と呼んでいますが…

 その時に、一度だけこの世界に現れたようです

 そんないわくつきの石盤だからかどうかは知りませんが

 これには物質再生の力があると言われています」

「ふぅむ

 まさにそれこそオリジンの持つと言われる力だ」

「そんな不思議な力があるから、

 昔の人はオリジンと関係づけたのかもしれませんね」

「それでは、お願いします」

「さがっていて下さい…」

ブラムバルドが石盤に二つの指輪をかざす。

カァッと力強い閃光が指輪から発せられる。

その光の中に、

石盤の上に、

一瞬、人型の影が。

「終わりましたよ」

「こんなにステキな指輪だったのですね」

「よし、次は月の精霊ルナとの契約だな」

「その後はモリスンさんの手助けですね」

「それならばフレイランドとミッドガルズの間にある

 『12星座の塔』に行ってみなさい

 そこには精霊が住んでいるということです

 どんな精霊かはわかりませんが

 召喚できるようになれば、かなりの戦力になるでしょう」

「わかった、ありがとう」

ようやくルナとの契約の準備が整いました。

言い出してから長かった…。本当に…。

感慨もほどほどにブラムバルドは立ち去ろうとします。

「あっ、待ってください!

 こっ、これをッ!!」

「なんだそのは?

 壊れてるじゃないか」

「この弓も直りませんか?

 ずうずうしいのは承知です

 でも…

 これはどうしても直したい大切なものなんです!」

「クレスさん…」

壊れた弓。

他でもありません。

ダオスの一撃を受けたチェスターの弓です。

「お願いします!弓を直してください!」

「……

 …残念ですが、それは無理ですね…」

「…そうですか

 無理を言ってすみません」

「いや…、直らないわけではないんです

 契約の指輪のように

 強力な魔力があるものはいいのですが…

 石盤の物質再生の力は、本来の姿に戻すものですから…」

ピンとこない様子の若者2人。

「その弓は普通の人によって作られた物ですよね?

 それだと、本来の姿…

 おそらく、木の棒になります」

「えッ??」

「単純に壊れているだけなら単純に直せば良いのです

 つまり、腕の良い武器職人に修理してもらえば直る

 と、いうことです

 きっと村の武器屋の者なら直せるでしょう」

「本当ですか!良かった…」

「なぁ…、その弓は一体なんなんだ?」

ピンとこないおっさん1人。

「これは…、大切な友人にかえさなくちゃいけないんです

 かならず…

 かならずもう一度会って!」

「行きましょう

 指輪も直ったし、弓も見てもらわないと!」

「話はまとまったようですね

 では武器職人の事もあるので、村まで私も一緒に行きましょう」

まぁついてきてくれても帰り道で迷うのは変わらないんですが。

ところで手に入れた契約の指輪は

トパーズとムーンストーン

私ってば勝手に、

2つの欠片を合わせて1つにするものだと思っていたので

ちょっと得した気分。

集落に戻るとなんだか騒がしい気がします。

「お疲れ様でした」

「族長、侵入者を捕らえました」

「人間の不法侵入者か?」

「いえ、その、ハーフエルフでして…」

「何だと!!」

「ちょっとぉ、離してよっ!

 あ~ら、そこのお兄さんいい男ねぇん♡

 あ~ん行かないでったらぁ!」

「この声は…」

アーチェ

 あれほど、待っていろと言っておいたのに、

 なぜ来たんだ」

「だぁってぇ…

 とにかく早くほどいて~!

 あたしはこんな変な趣味してないんだってばぁ!」

「あなた方の連れですか?」

「放してあげて下さい、お願いします!」

「族長、例外を認めては他の者に示しがつきませんぞ!」

「ハーフエルフの不法侵入者は例外なく極刑です」

一同の顔が青ざめていると、

そばにあった民家から一人の女性が飛び出してきます。

「待って下さい!!

 どうか見逃してあげて下さい、お願いします!

 この娘を殺すというのなら私が身代わりになります!

 ですから…

 お願いします!」

「……わかりました

 ロープをほどいてあげなさい」

「しかし…」

「族長命令です」

「…わかりました」

どうにか拘束を解かれるアーチェ。

しかし一体この女性は…?

「ごめんなさい、アーチェ

 許して…

 本当にごめんなさい…

 ごめんなさい…」

「えっ?

 いったい、なんなのさ?」

なにはさておきここでの用事は終わり。

五体満足で無事に村を出ようとする中、

なにかに気づき、振りかえるアーチェ。

「どうした?」

「何か?」

「お願い、さっきの人にもう一度会わせて!」

「だめだ!

 無事に出られるだけでもありがたいと思え!」

お母さん!!

 ねぇ、聞こえる!?

 お母さん、あたしのお母さんなんでしょ?

 お願い、もう一度顔を見せて、会わせて…

 お願いだから…」

「アーチェ…」

返る声はなく、

ひどく重たい後ろ髪を引き摺って森を出る一行でした。

 

今回はここまで。

またしても意外な出会いがあったようですね。

二つの指輪を手に、

いよいよルナのお膝元へ向かいます。

ルナとの契約のために

一体どれだけの時間をかけたことか。

そしてその先に待つのは…

それでは、また。

次回からはまたちゃんとふざけます。

無意識でした。

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